2005年 04月 04日
The Youngbloods “High On A Ridge Top” (1972)
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このユルさ、ゆったりしたグルーヴ感は他に得難いヤングブラッズならではの味。
ヒッピー・コミューンの幻想が挫折しようが時代が変わろうが、心から音楽を愛する連中はそんなことなど意に介さず、有機的で心地いい関係性を維持し続け、昼な夕なこんなにもすばらしい音楽を作り続けていたのですね。思想というほど鯱ばったものでなく、もっとカジュアルな感覚での解放の悦びが刻まれています…。気兼ね無く、仲間と音楽を楽しむだけだったのかもしれませんね。

ラスト・アルバムにして最高傑作の呼び声高い本作の目玉はなんと言ってもThe Bandの大名曲‘I Shall Be Released’の素晴らしすぎるカヴァー。こんなにも嫌味なくこの大名曲をカヴァー出来るなんて。ともすれば過剰な感情が入り込みがちになりそうなこの曲をいともさらりと料理してみせます。アルバム・タイトル通りまるで丘の上で心地よい春風でも受けているような極楽の気分を味わうことが出来ます。他にも数々の名曲をカヴァーしており、書き綴るだけでも、‘Speedo’‘La Bamba’‘Kind Hearted Woman’等…。これらをなんともホンワカとセンスよく演ってみせるのだから堪りません。
ぬけるような青空と広い広い丘陵、眼下にはL.A.の町並みを眺めながら…。そんなシチュエーションで聴けたらどんなに幸せなことか。難しいこと抜きにして最高のリゾート・ミュージックだなあ。

もともと東海岸グリニッジ・ヴィレッジでフォーク・ロック・グループとして活動を始めた彼ら、60年代の後半に近づくにつれ徐々にジャムバンド的な方向にシフトし始め、自身のレーベル「ラクーン」の設立とともに西海岸へと生活の拠点を移したのでした。それからはまさにホームメイドでマイペースな活動を繰り広げ、独特のユル~い味を振りまきながらノンビリやってたみたいです。もうちょっと伝説的要素などが加味されていればデッドと同じくらいの評価と人気を獲得していたかも知れないと思うのは僕だけでしょうか。でも派手な逸話やゴシップみたいなものは似合わないし、適当に、ゆるやかにっていう位がこのバンドにはちょうど良いのかもしれませんね。

ちなみに解散後リーダーのジェシ・コリン・ヤング氏の発表した数々のソロ・アルバムも本当に素晴らしく、惚れ惚れしてしまうようなものばかり。是非お試しください。

<しばさき>
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by beatken | 2005-04-04 03:12 | review


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