2005年 05月 01日
green on red “Here Comes The Snakes” (1988)
USインディーズ、ポスト・パンク勢の中でも最もルーツ・ミュージックに接近していたのがこのバンドではないかと思う。最初期には、まるでクランプスかともいうようなゴシック的なガレージ・サウンドを鳴らしていた彼らだったが、現在アメリカーナ・シーンで渋い輝きを見せている名ギタリスト、チャック・プロフェットが加入したあたりから独特のルーツィな味を発揮し始めたようだ。実はアラバマ出身という出自からも納得の転向ではある。当初は、あのブラスターズやロス・ロボスが在籍したことで名高い名インディーレーベル、Slashに在籍していたこともあり、そういったレーベル・メイトの活動にも刺激を受けながら、カントリーなどのルーツ・ミュージックに視野を広げていったのかもしれない。

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このアルバムは、これまた名インディー、レストレスに移ってからのもので、これまでのルーツ路線をさらに深化、多様化させたバンドサウンドが聞ける。どちらかというと地味になりがちだった曲想にメリハリをつけることで完成度を増した。その代わりインディーバンド特有の程良いアマチュアリズムは薄まったように感じるが、こういった変遷や成長を味わうといったこともこの手のバンドを聞く時の醍醐味であるといえる。

歪んだギターが激しく動き回りながらも、どこかやるせない歌が響く。こいつら本当にニール・ヤングのことが好きなんだろうな、と聴いていてふと思ってしまう。それだけルーツミュージックへの視点は本当に確かなものだ。あのドニー・フリッツの名曲、‘We Had It All’の素晴らしいカヴァーを聴いているとその想いをさらに強くするのだ。

現在のオルタナ・カントリーのシーンを考えた時、このバンドがつけた先陣というのは本当に大きいものであると思う。パンクを通過したルーツ・ミュージックというアイデアをここまでの形で具現化し、後続へ手本を示したという点でとても重要だ。忘れ去られるには惜しいバンドである。

<しばさき>
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by beatken | 2005-05-01 01:44 | review


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