2005年 05月 02日
Heads Hands & feet “Old Soldiers Never Die” (1973)
ザ・バンドの登場は、海を隔てたイギリスにも多大な衝撃を与え、英国国内にさまざまなルーツ嗜好のバンドを結成させるきっかけとなりました。代表的な例としてはあのブリンズリー・シュウォーツがそうであります。しかし当時英国では国を挙げて未曾有のハード&ヘヴィ・ロックブームが巻き起こっていたため、どうしてもそのようなルーツロック志向のバンドはアンダーグラウンドな存在に留まりがちなのでした。
でも僕のようにパブロック発生の過程などに大きなロマンを感じてしまうようなタチの人間からすると、そのように地味~に活動していたバンド群の方にこそ興味を向けてしまうんです。そういったバンドたちの地道な活動がなければ後のパブ・ロックシーンがあんなにも充実したものには決してならなかっただろうし、むしろそういったクラブやパブなどの周縁的文化にこそ、生活と共に音楽を楽しむエンタテインメントの本質があるような気がします。パブやクラブにおいて普段着でビール片手に楽しむ音楽にこそ生活の哀歓が凝縮された本当の意味での娯楽がある気がするのです。決してスタジアムの狂乱では味わえない大切な感覚があるはずだと思うんです。

ここに紹介するHeads Hands & Feetというバンドもそういったパブ・ロック前夜の混沌としつつも実り多き時代に活躍したルーツ志向のバンドです。そして実はこのバンド、もともとアンダーグラウンドなクラブシーン等で活躍していたような連中によって結成されているというのがまた泣かせます。モダーンズなどの真にヒップな連中がこういったルーツィな方向に進んでいったっていうのも何やら素敵じゃないですか!泥臭いゴスペルの狂熱を英国風なセンスで消化した演奏はまことに素晴らしいです。スモーキーでくぐもったような音像にシンフォニックとさえ言える演奏、そして程よいアメリカンエッセンス、この時代のイギリスのバンドならではの独特の魅力があり、たまりません。
c0075476_1392236.jpgこのHeads Hands & Feet、マニアの方には後にエミルー・ハリスのホットバンドのメンバーに抜擢されたことで有名なアルバート・リーが在籍していたことで知られるバンドかもしれません。また、のちにチャス&デイブという名デュオで活躍するチャス・ホッジスが在籍したバンドということでも有名かもしれません。この人脈をみただけで何ともはや堪らないんです。
カントリー・ロックやスワンプ・ロックを自分たちの手でやってみよう!と集まった若者たちのウキウキするような気持ちがレコードに刻まれている気がして嬉しくなってしまいます。溌剌としたリックを連発して実に楽しそうに演奏するアルバート・リー。本当に音楽が好きでたまりません!っていう風情がビンビンに伝わってきてとっても爽快です。

<しばさき>
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by beatken | 2005-05-02 01:39 | review


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