2005年 05月 16日
ストリートロック
近頃ボスを初めとして「ストリートロック」にはまってしまっています。数年前なら、「ダッセ」と一蹴しちゃってそうな音楽でした…。が、今これが本当に沁みるんです。

一口に「ストリート・ロック」といっても、厳密にそういう音楽形態が存在するわけではなく、その魅力はもっと気持ち的な、感覚的な捉え方でもって理解すべきものだと思います。何だろうな、ひとつ確実にいえるのは女性には全く受け無そうなある種暑苦しいような魅力が…。この辺の傾向が嫌いな人には本当に嫌われそうな音楽ですね(笑)
でも思うんですけど、内なるパッションというべきか、その本質としてはルー・リードなどの音楽と合い通じる部分がありと思うんですが…。ルーらの音楽はそのシャレた「雰囲気」だけで十分鑑賞できうるものだけに、色々な誤解曲解があると思いますよ。本質はもっと汗臭いものだし、青臭くて痛みをも伴うものだと思います。単にインテリ的なアート思考でもってあそこまでの人間くさい表現が可能になるとは到底思えません。彼らは紛れも無いストリートロッカーだと思います。
アート的な洗練や泥くささ、黒っぽさやシャレた感覚などといったものは確かに音楽のもつ素晴らしい魅力であるとは思いますが、けっしてそれが全てではないはず。そういったもろもろの印象にまつわる魅力というのはあくまで外殻的な要素であり、それだけをあげつらって云々するのは逆に凄くスクエアな態度じゃないか?
「ロック」って本来ストリート的な要素を初めから内包していると思うのです。逆に言えば様式美にのみ拘泥したメタルとかはマジに興味ありませんし、先述のようにヴェルヴェッツとかをそういうアート的な様式で持ってしか評価しないのなら中学生的メタル馬鹿となんら変わりないんじゃないか。そういう奴とは一緒に風呂に入りたくない。(誤解の無いように書いておくと、そういう様式的な枠組みを飛び越えて魅力的なメタルやハードロックとかはとても好きです。シン・リジィ、モーターヘッド、AC/DC、グランドファンク、アリス・クーパー、ブルー・オイスター・カルト…。好き!)

そんじゃあお前のいう「ストリートロック」って何だ、ということになろうかと思いますが、これはやはり先述のような事情から字では説明しづらい…。強いて言えばオーセンティックなギターロックコンボで疾走感のあるポップなロックンロールを哀愁を織り交ぜ叩きつける!甘くなりすぎずビターで渋いロックンロール…。と言う感じでしょうか。字面的にはもの凄いダサそうですね(笑)

なのでやはりそういう風に外殻的な特徴をあげつらうより、例としてどんなミュージシャンがいるかをあげてみましょう。面白くなってきたぜ。

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なんつっても代表格はブルース‘ボス’スプリングスティーン(←写真)!説明不要の大物ですね。ストリートロックの何たるかが全て彼の音楽で表現されていますわ。初めて聴こうという方、決して『ボーン・イン・ザ・USA』以降を聴かないように!一般的にはここら辺が彼のパブリックイメージかと思いますが、むしろこの時期は彼の経歴からいって異色の時期です。大嫌いになる可能性があります。やはり『明日無き暴走』や『ザ・リヴァー』がお勧め!最高。あと意外かも知れませんが近年の作品も最高なんだよなー。


そしてボスの盟友サウス・サイド・ジョニー。初期がおすすめ。絶妙のソウル臭がたまりません。

c0075476_19281168.jpgそしてやはりウィリー・ナイル(→写真)。店頭であまり見かけないけど探す価値あります。


ガーランド・ジェフリーズ。この人はかなり多彩で、ソウル風味やレゲエ風味なんかもあって良い感じです。が、あくまで本質はストリート。

ジム・キャロル。映画『バスケット・ダイアリー』の原作者としても有名。パンク寄りの歌がカッコいいです。

グラハム・パーカー。パブロックのウルフ。問答無用にカッコいい。
パブロック全般に感じる小粋なかわいらしさみたいなものって、なんとなくストリートロック的なものと区別されるんですよね。そうはいっても少なくともパーカーとイアン・デューリー辺りはストリートロックに含めてもいいかもしれないです。

ウォーレン・ジヴォン。西海岸の皮肉屋。辛口の歌がカッコいい。

パティ・スミス。この人も入れちゃいます。無論カッコいい。

ジョナサン・リッチマン。ルーと同じ意味でストリート!大好き。

ジャクソン・ブラウン。意外かも知れないですが、この感動はストリート・ロックだぜ。

ジョン・クーガー・メレンキャンプ。来ました。安売られ王ですが。やっぱり本質はストリート・ロッカーだ。

トム・ペティ。忘れてました。この偉人を。西海岸の中では出色でしょうか。

ニルス・ロフグレン!ギター小僧版ストリートロッカー。こうなってくるとニールヤングも入れたいけど…。でも彼はストリートすら超越した独自の地平を爆走してるのでちょっと違うかな。
あ、そうそう、無論ディランと言う存在はここにあげた連中の中でそれはもう絶対的なものだと思いますよ。彼らの心の中には、常にディランに対する憧れみたいなものがあるはず。でもディランをこの括りに入れるっていうのはまた何か違うんですよね。なんていうかなあ、やっぱりニールと同じような理由で、もはや別格化しているというか。難しいですけど。

グレッグ・キーン。この人の在籍した「ビザークレー」というレーベルは強烈にストリート・ロックを感じさせます。

忘れてました!超重要人物を。エリオット・マーフィー!個人的にはボスに次ぐくらい好き。

ピーター・ウルフ、というかJガイルズ・バンド。男臭い系の最右翼。

ジュールズ・シアー。捻くれたポップ感が青春の哀しさを誘う。

ピーター・ケイス。パワーポップバンド、プリムソウルズの元メンバー。今やフォーキーなロックを聴かせる渋い芸風に。

ヒューイ・ルイス。その余剰在庫ぶりから馬鹿にされがちだが良質なストリート・ロッカーだと思います。

マーシャル・クレンショウ。パワーポップよりの人だが、映画『ラ・バンバ』でバディー・ホリーを演じる、その感じ、凄くストリートロックだ。

c0075476_19285933.jpgまたしても重要人物を忘れていた…。スティーブ・フォーバート(←写真)。フォークとスプリングスティーンの融合と言うべきか…。こうみるとニューヨークの人が多いんですね。都市に生きることっていうのはそういうこと。

初期のJ.D.サウザー。厳密に言うとファーストだけって感じなんだけど…。AORになってからは別に普通だからな。苦み走ったシンプルなロックが溜まらない。

忘れてた!(思い出しながら書いてるのであしからず…。)ミンク・デヴィル!このイタロな味がなんともチンピラ的でいいです。「イタロ」って重要なキーワードだと思う。ブロンクスを中心としたコミュニティの音楽。世代は違うがディオンなどもこの際含めたい。

ジョー・イーリー。珍しく南部からエントリー。生粋の南部人というよりは、若干の都市臭さを感じる。クラッシュとも共演したつわもの。

ジョン・ハイアット。同じく南部より。この人も不思議なストリート感を湛えているんだな。

初期のビリー・ジョエル。えっ!とう声が聞こえてきそうですが「ピアノ・マン」などで聞かれる情感は紛れも無くストリートロック的なもの。

シン・リジィ。この青くささ、ストリート臭さはやはりこのラインアップにふさわしいと思います。

このほか、周縁、さらに亜周縁的なものを考慮するととても書ききれそうにないのでこの位にしておきますが、まだまだ言及したい人達がいっぱい。ロイ・オービソン、ポール・ウェスターバーグ、ライアン・アダムス、ロス・ロボス、ロビー・ファルクス、ウォールフラワーズ、フーティー&ザブロウフィッシュ、佐野元春、等々…。


いやあ、長く書いてしまった。疲れた…。つい熱くなってしまいましたよ。

さあ、みんなでボスを聴こう!

<しばさき>
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by beatken | 2005-05-16 19:31 | review


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