2005年 08月 15日
Mitch Ryder & The Detroit Wheels “Detroit Breakout” (Recorded In 1960's, Compiled In 1997)
シャウトボーカル史上(そんなモノがあればの話だが)においてこの人の果たした功績はデカイ。もしこの人がいなかったらスプリングスティーンだっていなかったかも。ロイ・オービソンの美声を断念した彼はロッカーとしての生き方すら断念していたかも知れない位。

シャウトは即ち労働者の喧喧とした雄叫びであって日々のブルースからの突破口だったんだろうと思う。ことにデトロイトにおいては。この巨大なモーターシティに暮らす憂さを晴らさんと絶叫するミッチと彼のバンドが振りまいたカタルシスは明日への精力剤!ロックンロールで騒ぎまくろうぜ!っていう伝統は侮れない。ロックンロールは最高の生活歌だ!そういういう意味でパブロックとも本質を同じくすると思います。
この時期のいわゆるガレージパンクバンドや彼の歌が決して古びない理由はそういうことだろう。体が欲する熱狂を最初から内包してるから、時代が移り行こうが関係なくカッコいい。ロックの本質って何だろうって難しい問いをするより、これを聴いて自ずと腰が動いちゃう、そういう感覚が凄いと思います。

畳み掛けるように打ち鳴らされるグッドオールドロックンロールとガッツ満点のボーカル。60年代半ばのアメリカ地方都市のサウンドトラックはこれだ。この時期全米を席捲したブリティッシュ・インベイションに対し彼らは全然卑屈な態度を示していない、そんな態度は実にレアだと思うし、むしろ俺らの方が本流だぜっていうような男気が頼もしすぎます。ストーンズが何しようが俺らの眼中にはネエぞ、とでもくだを巻かれそうでコワい。c0075476_22345668.jpg
これはそんな彼らの黄金時代を捉えたコンプリートアンソロジー。物凄い物量のロックンロールがCD2枚分に満杯のお買い得コンピレーションです。簡易版のベストみたいなのは沢山出てるけれど、これにとどめを刺します。僕も買い換えてしまいました…。

とにかく、この重戦車みたいなオーセンティックロックンロールにやられてみてください。興奮します!
あ、それと書き忘れたけど、モーターシティならではのソウルナンバーも最高なんです!
モータウンなどと歩調を合わせつつ、実に本格派のソウルを聞かせてくれるブルーアイドソウルマン、それな彼です。最高のビートとボーカルで極上のソウル。これも最高の生活歌だ。

<しばさき>
[PR]

by beatken | 2005-08-15 22:35 | review


<< Sonny Landreth ...      Lou Reed “Live”... >>