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2005年 09月 25日
Emitt Rhodes 『Emitt Rhodes』(1970)
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 "ワンマン・ビートルズ"”新しいポールマッカートニー”、エミット・ローズには色々な呼称が付きまとう。それは、彼の声、メロディラインなどが、ポールに酷似していたためである。全ての楽器を自分ひとりで担当するスタイルさえも。
 当時は「ビートルズ・ファンがマッカートニーの初ソロ・アルバムに期待していたのは、これだ!」とまで言われた名盤だが、なぜかそんなに知られていない。アルバム自体三作しか発表していないのだが、どうしてこんなに知名度が低いのか今だに疑問である。
 曲の方は、どれも小粋なブリティッシュ・ポップミュージックを地で行く佳曲揃い。70年のアルバムだから、時期的に、ポールがソロ活動を始めた時期とぴったり重なっている。一時期あった「ポール死亡説」の後釜として据えられたのは実はこの人ではなかったろうかという憶測をしているのはおそらく俺一人だろう。
 しかし、本人は複雑な顔をするのかもしれないけれど、本当にポールに良く似た、ハイトーンの透き通った声を持っている。音のつくりも、よくよくツボを押さえた痛快なものに仕上がっていて耳通りが抜群に良い。そこらへんにいる人達に、前知識なしで聴かせたら、800人に659人くらいは「これポールでしょ」と答えるような気がする。そしてこの数字に科学的根拠は全くない。
 全三作というとニック・ドレイクを思い出してしまうが、この人はまだ健在なんだろうか。元メリー・ゴー・ラウンドというグループにいたらしいんでその時のアルバムもあるんだろうけど。
 俺はこのアルバムしか持っていないのではっきりしたことは言えないけれども、他の二作もファンには根強い人気があるようだ。「ミラー」と「フェアウェル・トゥ・パラダイス」。
 「え?ポールのベスト?”マッカートニーⅡ”に決まってんじゃん」という頑固なポールファンも、「ポール?ああ、昔パンクやってて、その後なんか我が道を突っ走りまくった人ね」と”ポール違い”をしている人も、「ポールっつったら”ポール・ヤング”以外は認めない。ビバ!Q・ティップス!」と完全に迷走を始めている輩も、ポン、と時間が出来たけだるい午後に一曲如何。エミット・ローズは裏切らない。

 <ナカムラ>
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by beatken | 2005-09-25 03:37 | review